こどもが ふたり
畑でぴたんぱたんころげてる
素っぱだかで
とっ組んだときなんか
こほろぎが ないてる
妻よ
かほを あげなさい
しばらく はなしをしよう
秋がくる日
頭の毛をばらばらにふりみだした女の童が
あっちへいったり
こっちへいったり かけずってゐる
今日の日とむかひあってはゐれぬきもちだ
人と人のあひだを
美しくみよう
わたしと人とのあひだをうつくしくみよう
疲れてはならない
うつくしいこころがある
恐れなきこkろがある
とかす力である
そだつるふしぎである
愛のことばを言わう
ふかくしてみにくきは
あさくしてうつくしきにおよばない
しだいに深くみちびいていただこう
まづひとつの愛のことばを言ひきってみよう
まことに 愛にあふれた家は
のきばから 火をふいているようだ
くもはうかんでゐる
雲は白くうかんでゐる
こころは
はじめての秋の朝をあるきだすと
壺のそばにゐるようなきがする
もも子が おどる
おどる
うれしくって おどる
この花をあげようか
陽二が
じぶんの足をなめてる
みてゐると
花が咲くのをみてるようだ
すこしあごをつきだして
いつのまにか
わたしもなめたくなってゐた
あさがほが 咲いてて
とってやらうか
この水色の花のほしいものにはひとつとってあげます
ひるがほが
白くさいてる
このひるがほを
とってゆこう
これでは
いけないんだとおもふ、
うつむいてあるく さびしさ
じぶんから
もりあがってゆこう
あつい日だ
こどもをつれてきたらば
道のうへへ
石っころで へへののもへじとかけといふ
ひとすぢのこころとなり
へへののもへじとかいた
わたしがいけないんだとおもひながら
うつむいてあるくさびしさ