新年物と文士 夏目漱石  春陽堂から催促を受けて『文学評論』の訂正をやっています。今年じゅうに出すというんでい っしょうけんめいですが、思ったよりひまがかかって困ります。新年号の『ホトトギス』に何か 書けという依頼もありますが、とうてい暇がありますまい。                           (明治四十一年十一月二十日『国民新聞』)